マルチ勧誘は懐かしそうな笑顔で突然やってきた。(下)

突然、「現状に満足してる?」と不気味な笑顔で言い出したM恵。

なんだろう、この変な感じ。

私の困惑に全く気づかずに、M恵が続けます。

「もっと海外旅行に行きたいとか、美味しいものを食べたいとか、ブランド物を買いたいとか、ない?」

何だ何だ、何言い出すんだ、M恵。

「いや、特に不満もないし、旅行には適当に行けるから・・・」

「そんな小さな幸せでいいの!?」女性


突然M恵が大きな声を出しました。

「エミ、そんな事で満足してたら先に進めないよ!」

いやいや、先にってどこだよ。 何だコレ。

段々雲行きが怪しくなってきました。

もしかしてだけど、もしかしてだけど、これって・・・ マルチ勧誘!?

「ねえ、M恵。 あのさ、何が言いたいの?」

興奮気味のM恵からマルチ商法の香りがプンプンしてきた事で、一気に再会の嬉しさが冷却。

私の心は急激に冷えて、口調がすごく冷めたものになったと思います。

その気配を察したM恵は、「いや、私さ、エミにも幸せになって欲しいと思って!」と弁解めいた返事。

急に、素直に高校時代の友人との再会を喜んで、ウキウキワクワクしてた自分がバカみたいに思えました。

怒りが急速に膨らんできて、言っちまいました。 俯いたまま、低い声で。

「ねえ、今日って勧誘なの?」

慌てるM恵。

「いや、そうじゃなくて。一緒に夢を叶えるために、幸せになるために頑張らないかなーと思って。」

なんじゃそりゃ・・・  一気に疲れました。

結局こいつはマルチ商法の勧誘のために私と2人で会いたかったんだ。

こいつは私を自分の儲けのために売ろうとしたんだ。ガッデム。

「M恵、あんたは私を紹介したらいくらもらえるの。
私さ、あんたと違って友達売って稼ぐような強い心無いから。」


お金1

怒りを抑えて笑顔で言って、パスタ代を置いて

「二度と連絡しないで」と言い置いて店を後にしました。

 

家までが、いつもの5倍遠く感じ、腹の中でグツグツ煮えたぎる怒り。

くそ!初めかその気で近づいてきたのか。

喜んでた私、アホか!!

 

帰宅後・・・

家に着くまで、この怒りをどうしてくれようかと、色々考えましたが、共通の友人のS子に電話する事にしました。

電話女性1帰宅してすぐ、S子に電話して、M恵の名前を出した途端、

「マルチに誘われたでしょ」と言われました。

そうです。M恵があんなにS子と一緒の食事を拒んだのは、すでもS子は勧誘済みで手ひどく断られて

完全に気まずい関係になっていたからだったのでした。


その後、風の噂で、M恵がマルチの勧誘をしすぎて地元にいられなくなったと聞きました。

成功したという話は聞きません。どうしたもんやら。

私もあの後一度も会ってません。 もう私の人生にいらないです。

 

M恵は何を得て何を失ったんでしょう。あんなに優しいいい子だったのに。 
人の心を狂わすマルチ。 洗脳おそるべし!